KEIHOKUプライベートブランド
納豆は、大豆を納豆菌で発酵させて造る発酵食品で、日本で製造される納豆は、アメリカやカナダから輸入した大豆で造られるものが約80%、国産の大豆で造られるものが約20%となっています。
また、原料の大豆は、粒の大きさにより、大粒、中粒、小粒に分類されていて、代表する品種としては、大粒では「鶴の子」、中粒では「スズユタカ」、小粒では「納豆小粒(なっとうしょうりゅう)」などがあります。
KEIHOKUプライベートブランド長野県産小粒納豆を製造してくださっている、ひげた食品様は、昭和44年に創業後、平成18年の全国納豆鑑評会において「実花わら納豆」が、また、平成19年の全国納豆鑑評会では、「大粒納豆」が、それぞれ優秀賞を受賞されました。また、衛生面においても、平成18年と平成22年の茨城県食品衛生大会にて、それぞれ、茨城県食品衛生協会理事長賞、茨城県知事賞を受賞されました。
KEIHOKUプライベートブランド長野県産小粒納豆の、原料の大豆は、長野県安曇野市で栽培される、「ナカセンナリ」です。
長野県安曇野市は、長野県の中心に位置し、北アルプス連峰、美ヶ原高原といった山々に囲まれた盆地で、梓川や烏川の夏でも冷涼できれいな水に恵まれ、朝晩の気温の寒暖の差が、農作物の栽培に適した地となっています。
その中でも、「ナカセンナリ」は、作付面積が長野県内をまとめても1250ヘクタールほどしかない大変希少な品種となっていて、薄い皮と強い甘味が特徴です。
主に豆腐の原料として使われることが多く、「ナカセンナリ」で納豆を造っているところは、長野県内でも1、2社しかないそうです。
長野県安曇野市で栽培される「ナカセンナリ」は、農薬はできる限り使用せず、大豆の生産者自らが、お客様に安心して召し上がっていただきたいという気持ちを込めて、栽培されています。
「なぜ、ナカセンナリで納豆を造ろうと思われたのですか?」と塙社長に伺ったところ、「ナカセンナリは生産量が少なく、大変希少価値がある品種です。そして、そのナカセンナリで造った納豆で、内閣総理大臣賞を受賞した納豆メーカーがあったので、私もナカセンナリで美味しい納豆を造って、賞を受賞したいと思いました。」とおっしゃいました。
こうして「ナカセンナリ」で納豆を造りはじめたそうですが、最初は糸引きが良くなかったり、発酵温度の調整など、なかなか思いどおりのものが出来上がらず、製品化には、2ヶ月ほどかかったそうです。
製造工程としては、翌日製造分のナカセンナリを洗浄し、一晩浸漬(しんせき)させます。
このとき使用する水は、井戸水です。
浸漬後、ナカセンナリを大釜(圧力釜)に入れ、約1時間で蒸し上げます。
この作業を蒸煮(じょうしゃ)と呼びます。
ここで使用される大釜(圧力釜)は、乾いた状態で40キログラム、浸漬後に80キログラムになったナカセンナリを、いっきに蒸し上げるほどの大きさです。
蒸煮後、大釜から職人がかき出すように、ナカセンナリを樽に移していきます。
そして、もう一人の職人が、樽に移されていくナカセンナリに納豆菌を全体にいきわたるように噴霧します。
ここでの納豆菌は、宮城野菌を使用しています。
納豆菌の量が多いと糸は引くけれど、多すぎるとアンモニア臭が出てしまうため、少ない納豆菌で糸を引かせることが、職人の腕の見せ所となっています。
ここで、蒸煮直後のナカセンナリを試食させていただきました。
手でナカセンナリに触れた瞬間、思わず「熱っ」と声を出してしまうほど熱く、食べてみると、大豆の甘味、旨味が伝わってきて、調味料がなくても、そのままの素材の味で食べられるほど美味しかったです。
納豆菌を噴霧後、一定量をパックに充填し、量目の確認、金属などの異物が入っていないかを機械によりチェックします。
そして、充填されたパックは、発酵のために仕込み箱の中に並べ、室温40℃の発酵室で20時間発酵させます。
発酵後は、これ以上発酵が進まないように、4℃以下で冷却をします。
冷却後、包装をするのですが、積み上げられた仕込み箱の上、中、下段から、それぞれ1パックずつ納豆を取り出し、まず、臭いの確認。そして、表面だけではなく、ひっくり返して裏面も確認。そして、実際に納豆をかき混ぜて糸の状態を確認し、たれ、からしを入れ、お客様が召し上がる時の状態で美味しいかどうか、職人が毎回確認をし、職人が美味しいと判断したら、包装をしていきます。
取材に伺った時、ひげた食品様が造られた、北海道産の大粒大豆を使用した大粒納豆、茨城県産納豆小粒を使用した小粒納豆、そして、長野県産ナカセンナリを使用した小粒納豆を試食させていただきました。
同じ小粒品種の茨城県産納豆小粒と長野県産ナカセンナリでも、粒の大きさが違いました。
乾燥した状態で、豆の直径が5・5ミリメートル以下のものを小粒と呼ぶそうですが、ナカセンナリは小粒の中でも大きく、中粒に近い小粒なので、かなり大きく感じました。
そして、味ですが、それぞれの品種で、それぞれの大豆の旨みが感じられましたが、特にナカセンナリは甘味を感じ、タレがなくても、そのままの大豆の味で美味しく味わえる納豆だと思いました。
「堅さや食感、大豆そのものの特徴を生かした、ふんわりとしてやわらかな納豆が理想」と、塙社長はおっしゃいました。
KEIHOKUプライベートブランド長野県産小粒納豆は、そのお言葉のとおり、大豆そのものの旨み、甘味、食感が感じられる、美味しい納豆です。