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KEIHOKUプライベートブランド

有明海産焼のり

産地:九州有明海 加工場:東京都大田区大森北 株式会社浜富海苔

KEIHOKU有明海産焼のり

栄養豊かな有明海で育てられた、口の中でとろける“一番摘み”の海苔

九州の有明海は、長崎県、佐賀県、福岡県、熊本県にまたがった、奥行きが約100Kmある湾で、塩田川、六角川、嘉瀬川、筑後川、矢部川といった大きな川が、養分をたっぷりと含んだ水や土砂を湾に運び込み、湾内の波の作用で海岸近くに大きな干潟を作り出しています。

そして、湾口で約3m、湾奥で約6mといった干満の差、また、適度な海流が、川の淡水と海の海水を混ぜ合わせ、海苔の養殖に適した塩分濃度に調合し、養分や酸素を供給するなど、有明海は海苔の養殖の環境に適しています。

日本の海苔の生産量は、平成17年から19年度の平均のデータによると、佐賀県が22・9%で第1位、福岡県が16・2%で第2位、兵庫県が13・6%で第3位、熊本県が12・7%で第4位と、有明海(佐賀県、福岡県、熊本県)で、日本の全体の約5割が生産されています。

左)夜摘一番海苔 / 中)初摘み海苔 / 右)はねだし

本州、四国、九州に囲まれた瀬戸内海での主な海苔の養殖方法は、浮き流し漁場と呼ばれ、漁場にブイを浮かべ、そこに海苔網を固定する方法で、水深が深く波浪が大きい場所に適しているそうです。それとは対照的に、九州の有明海では水深が浅いので、海に支柱を立て、そこに海苔網を固定する支柱張り方法となっていて、有明海の特徴である、干潮の時、海苔が水面から離れ、天日干しされるようになっています。

南川副漁場では、有明海の中でも、佐賀県よりで、早津江川、筑後川が流れ込むあたりに位置し、岸から約1Kmの所から沖合いに向け約10Kmのところにある漁場です。ここでの海苔の生産者は約160軒、新規参入すると支柱代や海苔網代などで約1億円かかるといわれる海苔の養殖業は、新規参入よりも親と子の2家族で行うといった、代々引き継がれていくことが多いそうです。

ここでの海苔の養殖の場所は、国に申請し海苔の養殖の免許を取った生産者のみが、毎年8月に抽選で場所を決定します。同じ有明海ですが、海に川が流れ込んでいる場所が、一番養分が含まれていて良く、また潮の流れがある場所が、海苔の養殖には適しているそうなので、この抽選で決まった場所により、海苔の出来映えに大きく左右されるといいます。

8月の抽選で養殖の場所が決まると、生産者は海苔の種付けに使用する落下傘(らっかさん)と呼ばれる、カキガラを入れる袋を海苔網に取り付けます。そして、決められた場所に、海苔網を張る支柱を立てます。この支柱はグラスファイバーで出来てきて、長さは約8mあり、それを生産者の手で1本1本、合計約1300本もの支柱を有明海に立てていきます。

10月に入ると、海苔網に仕掛けてある落下傘に、海苔の種が付いているカキガラを入れます。もともと海苔の菌は、カキガラに付くことから、この方法が取られているそうです。そして、縦が1・8m、横(長さ)が18mの海苔網を、2枚、横につなげ、縦が1.8m、横(長さ)が36mにし、これを4列分、立ててある支柱に張っていきます。この4列分が1軒の生産者が養殖する区画となっています。(地域によっては5列分のところもあるそうです。)

こうして、カキガラから殻胞子(種)が出て、海苔網に付くのを待つそうです。

海苔網から海苔が1~2cm伸びたころ、全体の海苔網の半分くらいの枚数を、冷凍保存をするために支柱から取り外します。そして取り外さない海苔網で、11月には1つの海苔網から摘み採りを3~4回行うそうです。これを秋芽といいます。そして、12月頃には、マイナス20℃~30℃で冷凍保存(冬眠)しておいた網に張り替えて、12月~3月の間に10回ほど摘み採りが行われるそうです。

そして、一番または2番目に摘み採られる海苔が、一番柔らかく、また鮮やかな緑色をしていますが、3番、4番となるにつれて、硬くなり、色も赤くなっていくそうです。

KEIHOKUオリジナルブランドの有明海産焼のりを作っていただいている、株式会社浜富海苔の濱社長によると、冷凍の一番摘みが気候や海水温が一番、海苔の養殖に適していて、また、うまみ成分やたんぱく質が詰まっているので一番美味しいそうです。そして、KEIHOKUオリジナルブランドの有明海産焼のりは、この冷凍の1番摘みを使用しています。

摘み採り方法は、海苔網の下に海苔が20~25cmほど伸びた頃、海苔を摘み採る機械を箱舟の上に乗せ、海苔網の下をくぐらせながら、海苔網に約5cm海苔を残して摘み採っていきます。これは10日に1回ほど行われる、海苔の入札に合わせて行われ、有明海の特長である、満潮に合わせ、そして、海苔が光合成をしている日中ではなく、養分を蓄えている夜間に行うことが多いそうです。夜間に摘み採ることは、万一、生産者が海に落ちたとしても気が付いてもらえなかったりと、危険が伴います。しかし、光合成をしている日中の海苔は、色が赤みがかっているので、海苔の等級付けにも大きく影響をしてしまうので、満潮の夜に摘み採ることが多いそうです。

1.摘み取った海苔は、船からパイプを使って荷揚されます。

2.海水につけて攪拌し、海の中のような環境で待機させます。

3.真水で洗浄、程よい大きさにカットします。

4.“みす”の上に乗せ、四角い海苔の形にすいて、乾燥させます。

5.海苔を遠赤外線で焼きます。

6.焼きあがった海苔は様々な検査を受けます。

7.ひとつひとつ、人の手で包装していきます。

8.KEIHOKUオリジナル有明海産焼のりの完成です。

摘み採った生海苔は、船からのパイプを使って加工場のタンクに移され、海水につけて攪拌し、生海苔に海にいるような環境をあたえて、一時的に待機させます。その後、生海苔の異物除去機に入れ攪拌し、生海苔より大きい異物を取り除き、生海苔の柔らかさに合わせて適切な大きさにカットをし、真水で洗浄したあと、海苔の全形1枚分、約3g~3・2gを“みす”の上に乗せ、四角い海苔の形にすきます。この上からスポンジで押し、水分を取り、約40℃で1時間半くらい、温風にあて、乾燥させます。乾燥後、人の目で破れ、縮れ、形、異物などの検査をし、合格したものは合格したもの同士で、全形10枚を2つ折りにしたもの10セットを、紙の帯で1束(100枚)を100束として、箱に詰めます。この時点で干し海苔(まだ水分が30%位残っている状態)となります。

干し海苔の状態で、入札の前に等級付けが行われます。等級の種類はその漁協ごとに異なり、全国共通ではないそうです。そして、ここでは、味、つや、色、硬さにより、一番摘みのみ77等級、2~10番摘みで200等級に分けられるそうです。

等級付けられた干し海苔は、県に1つしかない入札場に出品されます。入札場では、支所名や、等級数や数量が表になった“入札手板”が渡され、それを元に、出品されている海苔を実際に焼いて色を調べたり、味を確認するなどして、買い入れる業者の人たちが入札します。

KEIHOKUオリジナルブランドの有明海産焼きのりは、冷凍の1番摘みを使用していますが、この入札時期は1月となっていて、この入札で全てが決まってしまうと、濱社長はいつも以上に真剣勝負をされるそうです。

入札した干し海苔は、地元にある倉庫で保管されます。そして、必要なときに、必要な枚数を乾燥機に入れ温度を調節しながら、干し海苔から乾海苔にし、水分を3~4%までに落とします。その乾海苔を川崎市まで運び、遠赤外線の海苔焙焼装置に入れ、3段階の温度調整により、焼海苔にし、金属探知機、異物検出機、目視検査をしたあと、10枚重ねにしたものを縦横互い違いに重ね、東京都大田区大森北にある株式会社浜富海苔の作業場で、人の手により、焼海苔をパッケージに詰めていきます。

有明海産の海苔は、栄養豊かな河川が湾に流れ込み、干満の差、適度な海流により、美味しい海苔が育てられます。海に海苔が浸かっていれば、海からの養分がより吸収されますが、干潮の時、海苔が海水から離れることが、海苔の日光浴、殺菌となり、柔らかくて美味しい海苔ができるそうです。

しかし、最近では海の中の栄養分が減ってきていると、福岡県浜武漁場の生産者はおしゃっていました。川から湾に運ばれてくる栄養分が、プランクトンにより食べられてしまっているそうです。そして、陸、川に近い海苔畑では、養分がまだあるけれど、沖の方から上流のほうには、養分が届かず、沖のほうには、海苔網を張らずに支柱だけ立っている場所もあるそうです。

海苔の養殖は8月~3月までとなっています。4月になったらいったん立てた支柱を全て抜き、漁場の清掃や痛んだ海苔網を直したりして、次のシーズンに備えるそうです。

有明海産の海苔は、やわらかく、口の中でとろけるのが特長です。濱社長が一番美味しいという、冷凍の1番摘みで作られた、KEIHOKUオリジナルブランドの有明海産の焼きのりをぜひご賞味ください。

取材写真

干満の差と川からの流れが海苔の養殖に最適な環境を作り出す有明海

取材写真

日本全体の約5割の海苔がここで生産されています

取材写真

水深が浅い有明海では、海に支柱を立て海苔網を固定する支柱張り方法で養殖をします

取材写真

浜富海苔 濱社長と取材班

取材写真

摘み採られた生海苔。早津江川と筑後川の豊潤な栄養と淡水の流れ込みにより、良質な海苔が育てられています

取材写真

干し海苔を目視で検査します

取材写真

完成した“干し海苔”この後、等級付けされ入札場に出品されます

濱社長にお話をうかがいました

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