KEIHOKUプライベートブランド
男鹿半島は秋田県の西部、日本海につきだした半島で、南と北からの海流が交わり潮の流れが早いので海水がきれいで、半島から海に流れ出る河川がないことから、塩分の濃度が高く、不純物も少ないため、塩作りに適しています。
KEIHOKUプライベートブランドの男鹿半島の塩、海塩(うみしお)は、男鹿半島の南部、船川港のそばの海岸沿いで作られています。
KEIHOKUプライベートブランド 男鹿半島の塩 海塩(うみしお)
原料の海水は、工場から車で約30分のところにある、椿海岸からトラックで運んできます。
海水をくむタイミングは、潮が満潮になったときで、潮の満潮の時間は日によって異なりますので、朝にくみに行くときもあれば、夕方にくみに行くときもあるそうです。
運ばれた海水は2日間タンクの中に入れて寝かせておきます。
その後、ステンレスでできた平釜に海水を移し、平釜の下からたき火で火をおこし、海水が沸騰しないように注意しながらあら焚きをします。
あら焚きは1日約12時間行い、職人がたき火の薪を足したり、塩分濃度を確認し、海水を少しずつ足したりして調整しながら、2日間かけて、約3%ある海水の塩分濃度を、じっくりと約20%まで上げていきます。
このとき、平釜の後ろにはタンクがあり、たき火の余熱により海水の温度をあらかじめ上げておきます。
これは、いきなりステンレスの平釜に冷たい海水を入れると、熱くなって膨張している平釜が急に温度が下がるので縮んでしまい、平釜が痛んでしまうからです。
あら炊き後は別の平釜に海水を移し、筒状の釜の中心部分にたき火をし、たき火のまわりに水を入れ蒸気をおこし、配管を通じて平釜の下に蒸気を送り、この蒸気の熱を利用して70℃~80℃に海水を温め、約6時間かけて、さらに塩分濃度を30%まで上げていきます。
このとき、平釜の水面から小さな結晶が出来だし、徐々に大きくなり底に沈みます。
塩は塩分濃度が30%になると、塩自身が結晶になっていくそうです。
ここでの結晶はトレーミー型と呼ばれるピラミット型をしていて、キラキラと輝いているのが特徴です。
平釜の底にたまった塩の結晶は、ざるに上げ塩に含まれる水分を切ります。
その後、木で出来たマスのような入れ物に塩を移し、さらに2日間かけて塩の水分を切ります。
マスの下には塩から出た水分を受ける入れ物が置いてあり、その水分は“にがり”と呼ばれています。
その後、さらに底に蒸気を通した平釜でサラサラになるまで乾燥します。
男鹿半島は気候の都合状、天日干しにはできないので、平釜で乾燥をするそうです。
こうして、海水を運んできてから約1週間かけて、男鹿半島の塩、海塩は出来上がります。
主に市販されている塩の中には、海外から塩を仕入れ、地元の海水で塩を溶かして塩を作り、原料の塩は海外でも海水は地元ということから、その地元を産地として商品にしているところもあるそうです。
また、海水をじっくり時間をかけて煮詰めるのではなく、海水を沸騰させて急速に水分を蒸発させたり、じっくりと塩の水分を切るのではなく、袋の中に乾燥する前の塩を入れて、遠心力で水分を飛ばして切っているところもあるそうです。
「素材の甘み、旨みを上手に引き立ててあげるのが美味しい塩」と、株式会社男鹿工房の柿崎部長はおっしゃいました。
KEIHOKUプライベートブランドの男鹿半島の塩、海塩は、職人の手により長い時間をかけて作られた、素材の甘み、旨みを引き立てながらも、塩そのものの旨みも感じられる美味し塩です。
原料の海水は満潮時に汲み上げ、2日間タンクで寝かしたものを使用します
あら焚きはこの状態で2日間かけて塩分濃度を20%まで上げていきます
海水を沸騰させないように注意しながら、燃料の建築廃材を補充します
蒸気の熱を利用して70℃~80℃を保ちながら、6時間かけてじっくり塩分濃度を上げていきます
塩分濃度が30%になると塩が結晶し始めるので、ざるに上げて水分を切ります
木の枡に塩を移し、更に2日間かけて塩の水分と“にがり成分”を抜きます
水分と“にがり成分”が抜けた塩の結晶。完成まであと少しです
男鹿半島の気候を考慮し、天日ではなく平釜で乾燥させます
男鹿半島の南部の海岸にある男鹿工房
海に流れ込む川がないので塩分濃度が高く、この日は5%近くもありました
あら焚き中は水蒸気で作業場が真っ白になります
トレーミー型と呼ばれるピラミット型の結晶ができるのがこの製法の特徴です
にがりの抜けた塩をチェックするバイヤー
生産者の皆さんと取材班
お世話になった柿崎部長
大井社長にお話を伺いました