冬の果物
瀬戸内海の西に浮かぶいくつかの島の中で、島と島を繋げるしまなみ海道の橋がかかっていない岩城島があります。
岩城島は〝いわきしま〟ではなく、〝いわぎじま〟と呼びます。
そして、レモンやみかんなどの柑橘栽培がさかんな島ということから、〝青いレモンの島〟と呼ばれています。
生産者の古川さんの栽培しているレモンの品種は〝アレンユーレカ〟といって、南イタリアの品種で果汁が多く、樹木のとげが少ないことが特徴です。
とげが少ないことから、収穫の時にレモンにキズをつけてしまうことを防ぎます。
また、レモンはビニールハウス(屋根がついていて、四方がビニールで囲まれていないもの)で栽培しています。
露地栽培にすると雨や風にあたり、レモンにキズがつきやすく、また、そのキズから病原菌が入りやすくなってしまうからです。
その点、ビニールハウス栽培では、屋根があるので、雨や風が直接レモンにあたらず、キズもつきにくいので、皮のキメが細かく、きれいで、果汁が多いレモンが収穫できます。
レモンの木は長いもので30年~40年間、実をならすものもあるようですが、平均して20年くらいの寿命とされているようです。
その20年間の中でも、1年目~10年目は木を育てる期間で、10年目を越えるころから、レモンの皮がつるっとしてキメの細かい実をならしていくそうです。
また、古川さんのレモンは除草剤を使用していないので、雑草の対策として〝除草シート〟を畑に敷いています。
この除草シートは黒い色をしていて、雑草が生えてくるのを防いでいるのですが、夏の間はビニールハウスの中に太陽の光が差し込みビニールハウス内の温度が50℃くらいまでになってしまうそうですが、黒い除草シートが熱を吸収し、温度の上昇を防いでもくれるそうです。
また、農薬には殺虫剤を最小限に使用するのみで、ワックスや防腐剤も一切使用していないので、丸ごとレモンを食べることができます。
古川さんが育てたこだわりのレモンは、皮のキメが細かくてきれいで皮の厚みも薄く、果汁がたっぷりで、ただ酸っぱいだけの味ではなく、酸っぱさの中にも深みがあり、本当に美味しいレモンです。
生産者の古川さんにお話しを伺いました
農園内部には、レモンのさわやかな香りが漂っています
貝殻虫が付着しているのは農薬を最小限しか使っていない証です
ワックス・防腐剤は一切使用しないので皮まで丸ごと食べられます
古川さんご夫妻と取材班