冬の果物
みかんをはじめ、いろいろな種類の果物を生産する和歌山県。
その和歌山県伊都郡かつらぎ町で紅色に完熟したこだわりの柿を作っている、松本果樹園さんがあります。
松本さんは「木が健康だと実も健康に育つ」と木の健康を第一に考えて、いつでも木が必要としている養分を土に与え、確実に肥料を効かせ、効果的に木が吸収してくれるようにしています。
そして与えている肥料は、牛骨粉や魚粉を中心とした有機肥料で、魚粉は魚丸ごとを粉にしたものを使用しています。
また、実の色付けは、一般的には肥料を与えなくして木を疲れさせて早く色付けをしたり、葉を多く取り光を実に多く当て、早く色付けをしようとする生産者もいるようですが、松本さんは一切このようなことは行いません。
松本さんは木が必要とする養分がいつも土にあるようにし、葉を取らず、自然の落葉を待ち、葉の光合成により与えられる養分を与え、木の上で紅色になり、完熟するまで収穫を待っています。
渋抜き作業は、一般的な渋抜きは、大きな庫内で気体中の二酸化炭素濃度を90%に保ち、柿がもっている可溶性タンニンを不溶性タンニンに変換させることにより、短時間で大量の柿の渋抜きをするそうですが、松本さんは、昔からアルコールに漬けた柿はおいしくなるということから、2t庫という小さなサイズの庫内で、気体中の二酸化炭素濃度50%、アルコール濃度30%、酸素濃度20%に保ち、約3時間かけて渋抜きを行っています。
取材の時、松本さんの柿園を見せてもらいました。
山の斜面に柿の木がたくさん植えられているのですが、松本さんのとなりの畑の柿の木は、葉をほとんど取ってしまい、痩せた木に実がなっていました。
ところが、松本さんの柿の木は、たくさんの葉を枝に付け、どっしりとみずみずしそうな実が、真っ赤になっていました。
完熟するまで木で育てた松本さんの柿は、柿の甘さとみずみずしさが口の中に広がります。
生産者の松本さんにお話しを伺いました
柿の出来映えを確認する取材班
右の柿の紅色が完熟の目安です
二酸化炭素、気化アルコールを使って渋抜きをします
松本さんと取材班