KEIHOKUプライベートブランド
みその分類は主に、「米こうじ」と「大豆」で造られる「米みそ」、「麦こうじ」と「大豆」で造られる「麦みそ」、「大豆」と「塩」を主原料として造られる「豆みそ」の3種類に分かれています。
また、みその色の違いには「赤みそ」「淡色みそ」「白みそ」の3種類があり、これは発酵・熟成期間の長さによるもので、発酵・熟成期間が長いほど、色が濃いみそが出来上がります。
そして、味の違いは「甘口」「辛口」に分類され、辛さの加減は塩の量にもよりますが、大豆の量に対して「こうじ」の量が多いほど「甘口」となり、少ないと「辛口」になります。
日本で造られているみその分布によると、米が一番手に入りやすいということからか、「米こうじ」と「大豆」で造られる「米みそ」が、愛知、三重、岐阜といった中京地方を除く北海道から本州にかけて、日本の総生産量の80%を占めています。
KEIHOKUプライベートブランド オリジナル合わせ味噌
「麦こうじ」と「大豆」で造られる「麦みそ」は、主に九州、四国、中国地方で造られ、「大豆」と「塩」を主原料に造られる「豆みそ」は愛知、三重、岐阜といった中京地方で造られ、岡崎城から約900m離れた八帖町(旧八丁村)で造られているみそは「八丁みそ」と呼ばれています。
製造方法の違いは、「米みそ」と「麦みそ」の場合、米または麦を水に浸したあとに蒸し、冷ましたものに種こうじ菌を付け、米こうじまたは麦こうじを造ります。
そこに、大豆を蒸してつぶしたものと塩と種水を混ぜ合わせ撹拌したものを桶に仕込み、発酵、熟成させます。
愛知県西尾市にある、はと屋様が製造するみそは、「大豆」と「塩」を主原料として造られる「豆みそ」で、仕込みは、毎年10月から4月にかけ行われます。
製造方法としては、大豆を洗ったあとに釜に大豆と水を入れ、約1時間半浸水させておきます。
この浸水の時間が大豆の炊き上がりの堅さに左右されます。
浸水後は釜から水を抜き、一晩大豆を寝かせておきます。
翌日の午前中、一晩寝かせた大豆が入った釜に高温の蒸気を送り込み、一気に大豆を炊いていきます。
そして、白い蒸気が上がったら、炊きあがりの合図です。
午後、大豆が冷めてから、直径4㎝ほどの球形のかたまり「みそ玉」を造ります。
この「みそ玉」を造ることが、「豆みそ」の大きな特徴となっていて、発酵過程でみそ玉に乳酸菌が育ち、豆みそならではの酸味を出します。
この「みそ玉」に種こうじを付け、温度、湿度が保たれた室の中に入れます。
「みそ玉」の上下を入れ替えながらおよそ12時間後、「みそ玉」は白く変化しています。
さらに24時間後、「みそ玉」の表面には、黄色がかったこうじ菌が、うぶ毛のように付いてきます。
仕込みから5日目には、「みそ玉」もすっかり発酵をし、「みそ玉こうじ」が出来上がります。
この「みそ玉こうじ」を細かく砕いたものに、「塩水」を加え、撹拌しながら混ぜ合わせていきます。
この状態を「もろみ」と呼びます。
この「もろみ」を高さ1.8mもある木桶の中に、職人の手により仕込んでいきます。
そして、「もろみ」を木桶に仕込んでから2週間後、木桶の上に重石を、職人の手により、積み上げていきます。
この重石の数は1桶に約200個、重さは約2tにもなるそうです。
ここで多くの重石を必要とするのは、木桶の中に仕込まれたもろみは、自然に水分が下に落ち、木桶の上に重石をのせることによって、水分が木桶の表面に上がってきます。
水分の調節をしながら熟成をしていくのですが、「豆みそ」はもともと加水が少ないため、それだけ多くの重石を必要とします。
こうして約3年もの期間、自然の気温で熟成させ、豆みそが出来上がります。
「KEIHOKUプライベートブランドオリジナル合わせ味噌」は、この3年熟成の豆みそを30%、1年熟成の豆みそを30%、信州みそと西京みそを、それぞれ20%ずつで合わせています。
この比率は、豆みその風味を生かしたみそにするために、豆みそを多く配合、特に3年熟成のものだけにしてしまうと、豆みその個性が強く出てしまうため、1年熟成の豆みそを加え、豆みその個性をマイルドにしています。
そして、柔らかい味わいを出すために、信州みそ、西京みそといった「米みそ」を合わせています。
こうして、豆みそのコクと米みそのやわらかさのバランスがとれた、KEIHOKUオリジナル合わせ味噌が出来上がります。
KEIHOKUオリジナル合わせ味噌が出来あがるまでに、十数回ブレンドを繰り返し、試飲を行いました。
こうして出来上がったKEIHOKUオリジナル合わせみそは、豆みそのコクと米みそのやわらかさで、味噌汁はもちろん、そのまま野菜などに付けて召し上がっていただいても、大変おいしい合わせ味噌です。
愛知県西尾市にあるはと屋
鳥山社長にお話を伺いました
はと屋の歴史を伺う取材班
豆みそは築100年の味噌蔵で仕込まれます
明治時代に作られ、今でも活躍する杉の木桶
熟成の様子を見学するバイヤー
原料は地元産の有機肥料だけで作る特別栽培フクユタカ
大豆を一気に炊き上げる高圧の圧力釜
球形にした大豆を5日間発酵させた「みそ玉こうじ」
みそ玉こうじに塩水を加えた「もろみ」を杉の木桶に仕込みます
下に落ちてしまう水分を表面まで上げるため重石を積みます
味噌4トンに対して重石は2トンほど積みます
熟成中の味噌。水分が表面まで上がっています
3年熟成豆みそ、1年熟成豆みそ、信州みそ、西京みそを合わせます
できたばかりの合わせ味噌を味見する取材班
鳥山社長と取材班